【肩のインナーマッスルを鍛える】スポーツを長く楽しむために

【肩のインナーマッスルを鍛える】スポーツを長く楽しむために

TRAINING 2018.10.22

Share :

肩のインナーマッスルを効果的に鍛える方法

部活で野球部に所属して毎日一生懸命レギュラーを目指して練習している人、草野球を趣味で楽しんでいる人、ほかにもテニスをしている人、水泳をしている人、バレーボールをしている人、いろいろ楽しいスポーツはありますが、今あげたスポーツに共通することは、肩を酷使するスポーツであるということです。

 

このまま酷使していると、筋肉のバランスが崩れてケガをする可能性があります。そのバランスを取り戻すためには、インナーマッスルを鍛えることがケガの予防に重要なのです。

人材紹介・転職なら「マイナビエージェント」転職・求職者募集プログラム

肩のインナーマッスルは野球に必要な筋肉

肩のインナーマッスルは、ひとつではなく4つの筋肉を総称して肩のインナーマッスルと呼んでいます。その4つの筋肉は、肩甲骨の前面と後面から起こっていて、それらの筋肉の腱のことを回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)と総称しています。英語では、ローテーター・カフと呼ばれています。

 

その4つの筋肉の役割は、肩を安定させることです。球を投げる動作で上腕の肩のほうの関節である上腕骨頭が肩甲骨から抜けないように4つの筋肉が作る共同腱で上腕骨頭を抱え込んで安定させています。

4つの筋肉で出来ている肩のインナーマッスル

肩のインナーマッスルは1種類ではありません。スポーツによっても酷使する筋肉が違ったりします。これから、インナーマッスルの種類と機能を解説します。

物を横に持ち上げる動作を助ける棘上筋

棘上筋(きょくじょうきん)は、肩甲骨の棘上窩(か)(肩甲骨の上のほうのくぼみ)から、上腕骨大結節上部(上腕骨の関節の上のあたり)までをつなぐ筋肉です。肩甲骨から、腕の骨を体にくっつけるようにして上のほうから引っ張り上げている筋肉です。腕を、横から上にあげる役目を果たしています。

 

投球動作では、腕を肩より上げ、後ろに動いたときにぎゅっと縮まり、ボールを投げ終わったフォロースルー時に肩が外れないように急激に引っ張られて伸びるという動作をしています。

腕を外側に振る動作を助ける棘下筋

棘下筋(きょくかきん)は、肩甲骨の棘下窩・棘下筋膜の内面(肩甲骨の肩甲棘の下部で広範囲)から始まり、上腕骨大結節中間部(上腕骨の関節の背中側の真ん中あたり)に集中してつながっています。

 

肩甲骨の後ろから、腕の骨を引き付けて安定させている筋肉です。腕を地面と水平の状態から、後ろに動かす動作のときに使われます(水平外転)。腕を小さく前にならえの位置から体の外に開く(外旋)動作にも使われます。

 

投球動作ではフォロースルーのときに肩関節後部に強い牽引力が発生するため、強い伸張性ストレスにさらされます。テニスのバックハンドの動きは、内旋から外旋の過剰な動きがあるため、棘下筋に強いストレスをあたえます。

肩関節の安定を助ける肩甲下筋

肩甲下筋は、肩甲骨の肩甲下窩(肩甲骨の内側、体の内部に近いほう)から始まり、筋肉は三角形に集まって外方へ向かい、肩関節の前に出て、上腕骨小結節・小結節稜(肩関節の前の方)につながります。

 

肩甲骨の内側から、腕の骨を体に引き付けつつ内旋する筋肉です。腕を地面と水平の状態から、前に動かす動作のときに使われます(水平内転)。腕を小さく前にならえの位置から体の内に開く(内旋)動作にも使われます。

 

投球では、腕を上から下へ振り下ろす動作に使われます。外旋から内旋に急激に変わる動作のため肩甲下筋は伸びた状態から急激に縮みます。陸上のやり投げや、テニスのスイングにも使われます。

腕を外側に振る動作を助ける小円筋

小円筋は、肩甲骨の後面外側縁上部の1/2から始まり、上腕骨大結節の下部(上腕骨の関節の背中側の下あたり)につながります。肩甲骨の後ろから腕の骨をつなげて安定させ、腕の骨を外側に回転させる筋肉です。

 

動きは棘下筋と似ていますが、動く方向が少し違います。腕を小さく前にならえの位置から体の外に開く(外旋)動作に使われます。テニスのバックハンドの動きや、投球のフォロースルーのときに、腕の動きにブレーキをかける動作のときに使われ、急激に伸びるため強いストレスを受けます。

肩のインナーマッスルの鍛え方

インナーマッスルを鍛えるには、高い負荷のかかるトレーニングではダメです。高い負荷をかけると、弱い筋肉であるインナーマッスルは働かず、アウターマッスルばかり鍛えられてしまいます。結果的にインナーマッスルと、アウターマッスルのバランスが崩れ、かえってケガをしやすくなります。インナーマッスルを鍛えるには、低い負荷で、低速度の動きを回数を少し多めにするとよいでしょう。

セラバンドなどを活用して棘上筋を鍛える

セラバンドとは、天然ゴムでできた、伸縮性を利用して筋肉を鍛えるバンドで、強度は何種類かあります。それを利用したトレーニングで棘上筋を鍛えます。セラバンドは黄色くらいの弱いものから始めます。

  • 1.椅子に座ります。お尻でセラバンドの一方を固定します。肩の力を抜き(決して肩をすくめないよう)、手の親指を体の外に向けて(肩関節を外旋させて)、セラバンドのもう一方を握ります。
  • 2.息を吐きながら、ゆっくりと腕を横に広げます。(30度くらい)
  • 3.ゆっくりと元の位置に戻します。
  • 4.これを1セット10回として2〜3セット行います。

 

ダンベルでもできます。なるべく軽いものを使用してください。腕を肩の高さまで90度ほど横に広げて下さい。
【参照リンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/katakansetsu1977/25/2/25_267/_pdf/-char/ja

チューブなどを活用して棘下筋を鍛える

棘下筋を鍛えるために、外旋の動きを利用します。ひとつはチューブアウト・ワードローテーションです。

  • 1.チューブの片方を、立ったときの肘の高さに柱などに固定します。
  • 2.チューブのもう片方を、柱と反対側の手で握り、腕は肘で90度くらいに曲げ、床と平行にし、体の前内側斜め60度くらいに固定します。
  • 3.チューブの弾力に抵抗するように、肘から先の腕を体の外へ開き肩をゆっくりと回転させます。体の外側斜め30度くらいまで広げます。肘の位置は動かさないように。
  • 4.ゆっくりと、元に戻します。20回を1セットとして2〜3セット行います。運動を低速ですることでインナーマッスルの筋肥大効果があります。あまり固いチューブだとアウターマッスルが働いてしまうので、やわらかめのチューブで行ってください。

 

もうひとつはダンベルを使った、エクスターナル・ローテーションです。

  • 1.横に寝っ転がって、鍛える肩を上のほうにして、上腕は体に付け、前腕は肘を90度曲げて、前に出して軽いダンベルを握ります。
  • 2.肘を固定したまま、肩の回転で、前腕を上にゆっくりと持ち上げます。
  • 3.肩の回転でそれ以上持ち上がらなくなったら、止めます。

ゆっくりと、元に戻します。これを10回で1セットとして、2〜3セット行います。

ダンベルなどを活用して肩甲下筋を鍛える

今度は、内旋の動きを利用して肩甲下筋を鍛えます。

  • 1.鍛える肩のほうを下にして、上腕は体に付け、前腕は90度曲げて前に出して軽いダンベルを握ります。
  • 2.肘を動かさないで、肩の回転だけで、ダンベルを体に近づけるようにゆっくりと持ち上げます。
  • 3.ゆっくりと元に戻します。これを10回1セットで2〜3回行います。

チューブを利用してもできます。

  • 1.立った姿勢で、肘の高さにチューブの片方を柱などに固定します。
  • 2.柱側の方の腕でチューブのもう片方を握ります。上腕は体に付け、肘は固定し、前腕は90度前に曲げ、体の斜め外45度くらいで準備します。
  • 3.肩を内側に回転し、肘を固定したままチューブをゆっくりと引っ張ります。体の前斜め45度くらいで? 止めます。
  • 4.ゆっくりと元に戻します。チューブはあまり強い物は使わないように。20回を1セットで2〜3回行います。

チューブなどを活用して小円筋を鍛える

小円筋の鍛え方は、チューブを利用したエクスターナル・ローテーションです。

  • 1.腕を下ろして肘を90度曲げ、体の前で両手でチューブの端を持ち、肘を固定して両方の肩を外側に開いて回転させてチューブを引っ張ります。
  • 2.肩の奥に少し疲れが出る程度で10〜30回程度行います。

 

ダンベルを使うプローンエクスターナルローテーションという方法もあります。小円筋はもともと小さな筋肉で、トレーニングで筋肥大させる必要はないので、ほどほどに鍛えてください。

  • 1.鍛える肩のほうを上にして床に横になります。肘を90度に曲げて固定し、前腕を前に出します。
  • 2.非常に軽いダンベルを持ちます(1〜2Kgくらい)。
  • 3.脇を閉めて手首を動かさずにダンベルを上下に動かします。10〜30回くらいです。
筋トレ

肩のインナーマッスルを鍛える際の注意点

インナーマッスルも筋肉ですから、普通の筋トレのときと注意する点は一緒です。ただ、普通の筋肉と違って力はあまり強くない筋肉ですから、負荷のかけすぎには注意してください。

鍛える前にはウォームアップ

筋肉を鍛える前に、鍛える部分を入念にストレッチしてください。それにより柔軟性が増し、出力、可動域も向上し、体が温まることで血流も増加し、ケガの可能性も低くなります。

鍛えるときには肩甲骨の動きに注目

肩のインナーマッスルを鍛えるには、肩甲骨ではなくて、肩甲上腕関節を動かすことが重要です。関節が動かなくては、それにくっついている筋肉も動かないからです。

 

肩甲骨が動いてしまうと、肩甲上腕関節の動きが邪魔されて、インナーマッスルが効果的に鍛えられなくなってしまいます。肩甲骨は固定し、肩甲上腕関節だけを動かすように気をつけて、トレーニングを続けてください。

鍛えた後にはクールダウン

クールダウンがあまり重要視されていないようです。クールダウンにより、筋肉の回復をうながし、温まった体を通常状態に戻し、運動で低下した柔軟性を取り戻してケガの予防をする、という役割があるのです。

 

クールダウンの方法は、息の上がらない程度のジョギングなどの運動を5〜10分ほど行い、次に張りや疲れ、違和感の残る部分のストレッチを各部位10〜20秒ほどを5〜10セット、反動を付けずゆっくりと息を止めずに行うことです。

 

アイシングは、必要に応じて張りや痛み、違和感の残る部分を15〜20分ほど冷やします。クールダウンにかかる時間は30分くらいです。これで運動によるケガのリスクを大幅に低めることができます。

肩のインナーマッスルを鍛えると肩こりも改善する

アウターマッスルとインナーマッスルは、両方のバランスがとれていることが大事です。運動不足でアウターマッスルの筋力が低下し、その一部をインナーマッスルが引き受けなければならなくなると、インナーマッスルの負担が多くなります。
その結果、肩こりが起こるという原因が考えられます。人間の体はバランスが大事ですから、この場合は運動をしアウターマッスルを鍛える必要があります。

 

逆にアウターマッスルを普段鍛えていない人が、インナーマッスルだけを鍛えると、また筋肉のバランスを崩すことになります。運動も食事もバランスが大切です。

category

記事カテゴリー