確定拠出年金のメリット・デメリットと上手に運用する方法を紹介

確定拠出年金のメリット・デメリットと上手に運用する方法を紹介

LIFE STYLE 2019.01.11

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確定拠出年金の運用テクニックを紹介

年金といえば公的年金が頭に浮かぶ人も多いと思います。実はもう一つ確定拠出年金と呼ばれる私的年金が存在します。確定拠出年金という言葉は聞いたことあるけど難しくてよくわからないという人のために「確定拠出年金とは何か」「どんなメリットがあるのか」など確定拠出年金の基本と運用のコツを解説します。

 

 

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確定拠出年金の制度について

ここ数年退職金制度、年金制度を巡る環境が大幅に変化しています。企業にとっては財務、人事の両面からの退職給付制度の見直しが重要な課題といえます。このような状況下で企業年金制度の新たな選択肢として期待されているのが、確定拠出年金制度です。

 加入者が積み立てを行う制度

確定拠出年金は企業や加入者が毎月一定額の掛金を拠出し自分で運用するものです。支払われた掛金が自分の口座に積み立てられ、運用して得られた給付金が将来的に自分に戻ってくるというイメージでとらえるといいでしょう。運用の結果次第で将来受け取れる年金の額は違ってきます

個人型と企業型がある

個人型の特徴

個人型確定拠出年金(iDeCo)は自分で掛け金の金額を決め、自分でお金を拠出します。掛金が全額所得控除の対象となり、確定申告・年末調整で税金の還付金が受けられます。個人型確定拠出年金(iDeCo)に挑戦してみようと思ったならば、まずは情報収集をし必要に応じて金融機関や専門家にアドバイスを求めてみましょう。

企業型の特徴

企業が決まったルールに基づき、お金を拠出します。マッチング拠出と言って従業員が一部掛金を負担するケースもあります。企業が掛金を負担するので、企業側が会社の損金として処理するのが特徴です。 

個人型と企業型の併用も可能

企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)の併用は可能です。ただしこれには勤め先の企業が一定の条件を満たしている必要があります。以前は企業型DCとiDeCoの併用は認められていませんでした。しかし、2017年1月の法改正によって企業型DCに加入している人でもiDeCoに加入することが可能になっています。

条件は企業が企業型確定拠出年金を導入していること、企業が企業年金規約で企業型と個人型の併用を認めていることの2点になります。確定拠出年金に興味を持っている人は、まずは確定拠出年金がどういうものなのか、企業型DCとiDeCoの特徴をよく理解したうえで加入することをおすすめします。

でなければ、本来お得に資産形成できるはずの制度で損をする可能性もあります。企業型DCとiDeCoの併用を考えている人は、勤めている企業が条件を満たしているのかを確認したうえで自分がどのような形で確定拠出年金に加入するのかを検討すると良いでしょう。

確定拠出年金年金の始め方

各税制のメリットやデメリットを学習し、いざ確定拠出年金を始めようと思い立ったら、どうすればよいのか。加入までの流れを具体的にご説明します。

個人型確定拠出年金の加入資格をチェック

「個人型DC」の実施主体は国民年金基金連合会です。対象者は国民年金第1号被保険者である「20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、自由業、学生など」と、国民年金第2号被保険者である「60歳未満の厚生年金保険の被保険者」となっています。

ただし前者については、農業者年金の被保険者や、国民年金の保険料を一部でも免除されている人は対象とならず(障害基礎年金を受給している人等は対象になる)、後者についても、勤務先企業で、厚生年金基金、確定給付企業年金、石炭鉱業年金基金のいずれかに加入している人や、企業型年金に加入している人は対象外になります。

また、公務員など共済組合に加入している人や国民年金の第3号被保険者は、個人型DCに加入することが出来ません。 掛金は加入者個人が拠出し、企業は拠出することができません。自営業者等の拠出限度は月額6万8000円で、国民年金基金の限度額と枠を共有しています。他方、企業型年金や厚生年金基金等の確定給付型の年金を実施していない場合の限度額は、月額2万3000円となっています。

積み立て口座を開設する

確定拠出年金をはじめるにあたり積立口座を開設する必要があります。積み立て口座は銀行などの金融機関(運営管理機関)で開設することが出来ます。また、普段取引がなく、口座を持っていない銀行でも申し込めます。掛金は自分が指定した口座から引き落とされます。開設にあたり銀行などの金融機関から申込書類を取り寄せます。

  • インターネットで資料請求する
  • コールセンターへ資料請求する
  • 金融機関窓口へ行く   

手続き完了後に運用開始

申込書類の提出は運営管理機関ですが、手続き完了の通知は実施主体である国民年金基金連合会から送られてきます。それとは別に運営管理機関ごとに指定するレコードキーパー(記録関連運営管理機関)から、ウェブサイトで運用状況を確認するためのIDやパスワードなどの資料が送られてきます。

レコードキーパーは、私たちの掛け金の運用の履歴を管理する会社で、運用指図の受付も担当します。手続きが完了すると運用が始まります。掛け金は、毎月26日(休業日の場合は翌営業日)に指定の口座から引き落とされます。ちなみに口座残高不足などで引き落としができなかった場合は、その月の拠出はなかったこととされて、後から支払うことはできません。

確定拠出年金の運用商品について

確定拠出年金で資産を運用するに当たり、いかなる商品があって、おすすめはどれか疑問を抱いている方は多いはずです。商品の数や種類については運営会社によって様々です。確定拠出年金で運用できる商品はどのような種類があるのか紹介しておきたいと思います。

運用商品の内容を知ることは重要

確定拠出年金の場合、どのような資産運用をするかによって、将来の年金の金額が決まります。運用商品の内容を理解しておくことは非常に重要と言えます。運用商品は主に「定期預金」と「投資信託」で運用されるのが一般的です。

運用商品の種類

運用商品の種類として元本確保型と元本変動型があります。それぞれのメリット・デメリットについて紹介していきます。

元本が確保される元本確保型

元本確保型というのは、文字通り、積み立てた元本が確保されるタイプのことで、具体的な商品として「定期預金」と「保険」があります。元本割れのリスクがないというメリットがありますが、低金利の状況だと将来の生活に必要な年金資産を増やせないというデメリットがあります。また、保険商品については満期を迎えず運用商品の変更(スイッチング)をした場合、解約控除金が差し引かれることに注意が必要です。

元本が変動する元本変動型

元本変動型ですが、こちらは積み立てた元本が運用によって変動するタイプをいい、「投資信託」がこれに当たります。運用成績に応じて値上がりして資産が増えることもありますが、値下がりして資産が減ってしまうということもあります。

元本確保型  元本保証あり
元本変動型  元本保証なし

 

確定拠出年金では運用利回りが重要

 

確定拠出年金では利回りを重視しなければなりません。逆に言うと利回りを重視しないと損をする仕組みが隠されているということです。 

損をしないために運用利回りを重視する

なぜ利回りを重視する必要があるのかというと、現在、日本はデフレ(デフレーション)状態が続いていますが、将来インフレ(インフレーション)に転ずる可能性もあります。インフレが起こると物価は上昇し貨幣価値が下落します。インフレ率が年2%の場合、今まで100円で買えていたものが、翌年には102円でないと買えなくなります。

このような状況で資産を減らさないためには、金融資産の運用においてインフレ率以上の利回りを達成しなくてはなりません。確定拠出年金では金融商品に投資して資産運用をしますが、当初想定した利回り(想定利回り)より実際に運用した時の利回り(運用利回り)が低いと、損をしてしまう仕組みになっています。

運用利回りの目安

2018年6月28日付の日本経済新聞朝刊によると格付投資情報センター(R&I)が確定拠出年金(DC)の大手運用管理会社を対象に集計したところ、2017年度の平均運用利回りは3.25%となったとのことです。プラスの運用成績は16年度(3.16%)に続いて2年連続。日経平均株価が13%高となるなど同期間は国内外の株式相場が好調だったうえ、国内債券も相場が堅調だったようです。

元本変動型の商品を選択した場合にはこれよりも利回りは高くなる可能性があるが、短い特定の期間の運用利回りを見て一喜一憂するのではなく、数十年後までた長期的な視点で運用していくことが重要です

運用利回りから目標資産額を計算してみよう

運用利回りによって将来の資産額にどのくらいの差が生まれるのか、目標資産額を計算してみます。退職後20年間、年間60万円を受け取るために必要な目標資産額は運用利回りによって以下のように変化します。
・運用利回りが3%の場合:60万円×15.3238=919.43万円
・運用利回りが1%の場合:60万円×18.2260=1093.56万円

確定拠出年金を運用するためのコツ

確定拠出年金は資産運用の観点で見ると、税制的に優遇処置がされている制度です。初心者向けの資産運用とも言えますので確定拠出年金の運用を考えないなら、通常の株などに手を出すべきではないという人もいます。

リスクとリターンを意識して資産配分を考える

リスクとは商品の値動きのブレ幅のことをさします。リターンは運用によって得られる利益と損失、つまり元本に対する差額のことです。資産配分を考える際には、このリスクとリターンを把握して組み合わせを考えることが重要です。目標とする運用利回りが高い場合、リスクとリターンが大きい商品を組み合わせる必要があり、運用利回りが低い場合には、リスクとリターンが小さい商品で組み合わせを考える必要があります。

リスク それぞれの商品のリターン(値動き)のブレ幅のことをいいます。
リターン 運用によって得られる利益(または損失)のことで、平たく言うと、元本に対する差額のことです。

 

状況に応じて運用商品を見直す

配分変更でより多くのリターンを期待

「配分変更」とは、毎月買い付ける運用商品の比率(金額)を変えることです。投資商品を多めに入れることによって、今までよりもリターンが期待できるようになります。例えば、今まで100%定期預金で積み立てていたものを、25%ずつ外国株式と日本株式の投資信託に変えてみます。すると定期預金50%、外国株式投信25%、日本株式投信25%という買い付け割合になります。

ただ、リスクの許容範囲は人によって違うので、最初は数%から始めてみるのもいいでしょう。また、今まで買い付けてきた商品が変わるわけではないので、配分を変更した時点では資産の総額に変化はありません。

スイッチングでトータル資産を増加させる

元のバランスになるように利益の出ている商品を売り、比率が下がっている他の商品を買い足すことを「リバランス」と言います。リバランスをすることで、トータル資産の増加に結びつけることができます。確定拠出年金で実際にリバランスする場合には、「スイッチング」をする必要があります。スイッチングとは、現在持っている運用商品の一部、または全部を売却して他の運用商品に買い換えることです。例えば、投資商品A、B、Cをそれぞれ50万円ずつ所有していたものをAはそのまま、Bを全額売却して、Cを25万円買い足し、そして新たにDを25万円買い付けるという具合です。

 運用商品を見直すタイミング 

運用商品の見直しに関しては通知が送られてくるタイミングや、誕生月など、一定の日を決めて資産配分の見直しをすると良いです。また年齢と共にリスクの小さい資産にシフトしていく安定運用に見直すなど、年齢や環境の変化に応じた見直しも大切です。

 

確定拠出年金を上手に運用して老後を豊かに過ごそう

誰しも将来の老後資金について準備しているものがあると思います。老後資金の対策としてよくあげられるものには「個人年金保険」や「(貯蓄代わりの)終身保険」などがあり、いずれもデメリットがないわけではありませんが、基本的に加入しておいて損のないものです。今回ご紹介した「確定拠出年金制度」も節税面でのメリットも多く、自信をもってお勧めできる制度です。

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