DOHCエンジンの特徴。快適なカーライフを送るために

DOHCエンジンの特徴。快適なカーライフを送るために

CAR / MOTORCYCLE 2018.02.27

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DOHCエンジンの基本的な特徴

カムシャフトが2本装備

エンジンの種類には仕組みによってレシプロエンジンとロータリーエンジン、ディーゼルエンジンがあります。レシプロエンジンとは、シリンダー内部でピストンを往復運動させることにより動力となるエンジンです。DOHCエンジンはレシプロエンジンの一種。「Double Over Head Camshaft」の頭文字をとってDOHCと呼ばれています。

現在では、普通乗用車に搭載されているエンジンですが、1950年代以前はスポーツカーのみに搭載されていました。ツインカムとよばれることもありますが、厳密にはDOHC=ツインカムではありません。ツインカムといった場合、カムシャフトの本数を指す場合も。

吸気バルブと排気バルブそれぞれにカムシャフトを用いることで、カムシャフトとバルブのタイミングのタイムラグは少なくなり、高回転で出力も大きくなります。

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バルブの直押しが可能

エンジンにあるロッカーアームがなく、カムがバルブを直押しすることが可能。そのぶん、高回転、高出力になります。しかし、バルブ量を増やす目的でロッカーアームを適用しているものもあり、その場合ロッカーアームはスイング式の採用です。

直押し式かロッカーアーム式かは設計コンセプトにもよりますが、省燃費性の向上させるためロッカーアーム式が増えています。

可変バルブタイミングと相性がいい

可変バルブタイミングは、バルブの開閉をエンジンの運転の状態で変化させる機構。吸入効率や排気効率を高めて混合気の燃焼を行わせるためバルブタイミングの回転数や負荷に応じて変えなければなりません。

カムの回転角に位置関係を与える位相変化型といわれています。バルブのタイミングを段階的に変える、形状が異なるカムを複数用意しているもの、その2つを組み合わせているものなどがあります。

可変バルブタイミングを備えると吸気と排気がそれぞれで制御可能に。全回転域での優れたDOHCのエンジンの特性を発揮することができます。

DOHCエンジン搭載車に乗り換えるメリット

低燃費と高出力を同時に実現できる

吸気用と排気用のバルブを搭載しているので、吸排気効率がよくなります。多くの空気を素早く取り込み燃焼ガスを排出することで高出力に。

バルブのレイアウトや燃料室の形状が自由に設計可能。吸排気効率を高めることができるので低燃費にもつながります。

シリンダーヘッドの設計自由度が高い

ロッカーアームを排除することができるので燃焼室のレイアウトなどの設計の自由度が高くなります。DOHCは、スパークプラの配置を燃焼室の中心に据えることが可能です。圧縮工程で混合気を燃焼室の中心に集めることができます。それは燃焼面でとても有利なことです。

カムシャフトが2本なのでシリンダーヘッドは大型化してしまいます。

エンジンの高回転化が可能

シングルカムシャフトは1本のカムシャフトが吸気と排気を行なっています。バルブシステムの慣性質量が大きくなり、高回転時にはバルブの追従性が悪くなることが問題でした。

DOHCは吸気と排気で個々のカムシャフトを用いる方式なので、吸気効率がよく大量の排気も可能になり高回転時の開閉も正確に行われます。そして、点火プラグが燃焼室へ配置されているので高速で燃焼し最大出力も上がるので高回転で高出力が可能になりました。

吸気と排気の独立制御が可能

吸気と排気で個々のカムシャフトをそれぞれ制御。吸気と排気のタイミングはタイムラグがあり、両方の効率のよい状態にすると出力が上がります。DOHCは吸気と排気のタイミングを独立制御するために燃費に有利となります。

カムシャフト1本に対する負荷は少なく、エンジン作動時のタイムラグも少ないです。そのために高回転で高出力が可能になっています。

最新の車に使われている

スポーツモデルのエンジンとみなされていたDOHCですが、トヨタ自動車が吸排気効率が高く、燃焼室形状の設計の自由度の高さに注目。省燃費と低公害化対策として1986年8月よりガソリンエンジン搭載の乗用車に採用しました。

軽自動車では2001年5月よりスズキが、2009年9月からはダイハツのすべての車種でDOHCエンジンを搭載しています。そして現在では世界中のメーカーの自動車に採用されているエンジンです。

DOHCエンジンのデメリット

部品点数が多くて構造が複雑

カムシャフトが2本となっているので、部品数が多くなります。エンジン上部も大型化しエンジンの重心も上がってしまうことがデメリットです。

エンジン内部の部品数が多いということはそれだけ構造も複雑。一般的に、シリンダーヘッドが大きく、メカニズムも高度なためヘッドが複雑になりやすいのです。そしてSOHCエンジンと比べると燃費は悪くなるデメリットもあります。

エンジンの中では比較的高価

DOHCエンジンは、複雑な構造のため製造コストがかかります。そのためエンジンの中では高価。

その大きな原因は2本のカムシャフト。最大の特徴でもある2本のカムシャフトですがその分、エンジン内部の構造が複雑になっています。しかしガソリンを効率よく燃焼させるためにDOHCエンジンを搭載しているのです。

故障のリスクが高い

DOHCのエンジンは部品の点数が多いため故障のリスクが高まります。とくに多いのはバルブ周りのトラブルです。バルブに付いている棒にはステムシールというゴムが付いていますがこのゴムが劣化することでエンジンオイルが漏れ出す「オイル下がり」の現象が起きやすくなります。カーボンが堆積しエンジン始動したときに白煙が上がる、オイルの減りが早いなどの現象も現れます。

そのほか質の悪いガソリンを使用することで異常燃焼を起こす可能性があるのです。異常燃焼を避けるにはハイオクガソリンの使用が推奨。

吸気バルブと排気バルブのカムシャフトがチェーンもしくはベルトでつながっています。このチェーンやベルトが走行中に切れてしまうとカムシャフトの回転はバラバラに。2本のバルブは燃焼室でぶつかり合いピストンともぶつかることで、バルブが折れてエンジンが停止することになるのです。

DOHCと他のエンジンとの具体的な違い

カムシャフト1本当たりの負荷量

SOHCは「Single OverHead Camshaft」の略です。吸気バルブと排気バルブの間にあるカムシャフトは1本で済むのでシリンダーヘッドを小さくすることが可能。カムシャフト1本で吸気と排気を動かすのでエンジンヘッドの軽量化と簡略化ができます。

しかし、カムシャフト1本で吸気と排気を行うためバルブレイアウトが狭くなり、高回転になるとバルブの開閉の精度が落ちるのです。

SOHCは部品数が少なくコストも重量も抑えることができ、エンジンの重量によるトップヘビーも抑えられるので重心を下げることができます。車両の旋回性能についてはSOHCエンジンは優れていることがあり、駆動抵抗が少ないエンジンです。

ロッカーアームの様式

OHVやSOHCそしてDOHCなどの動弁式のエンジンに用いられています。ロッカーアームは「シーソー式」と「スイング式」の2種類。

 シーソー式

支点が中間に、両端に力点と作用点があります。てこの原理を利用しカムから伝わった力は支点へ点対称の方向へと出力。てこ比の設定を大きくできるのでバルブリフト量を増加させることができますが、全長が長くなりたわみが発生しやすいデメリットもあります。通常、ロッカーアームはシーソー式を指し、OHVやSOHCで採用されている方式です。

スイング式

支点は一方の端、力点は中間、作用点がもう片方の端にあります。カムから伝わった力は同じ方向に出力。バルブリフトの量の増加はできませんが、ロッカーアームのたわみを少なくできます。SOHCの一部とDOHCの一部で採用されている方式です。

シリンダーヘッドの大きさ

シリンダーヘッドはエンジンカバーの下にあるエンジンの根幹をなすパーツです。ピストン上部とシリンダーのくぼみが合わさることで燃焼室を構成。燃焼室の形状やサイズはエンジンの性能を左右します。燃焼室の形状にはペントルーフ型、バスタブ型、くさび型、コンパクト型などです。

シリンダーヘッドはエンジンレイアウトにより数が変わります。直列エンジンや単気筒エンジンはシリンダーヘッドは1本ですが、V型エンジンや水平方向エンジンは2本のシリンダーヘッドになることが多いです。

部品の量と整備のしやすさ

エンジン開発の流れをみると、SV、OHV、OHCとなります。当初は、シングルカムシャフトのみだったのでOHCと表記されていました。その後ツインカムシャフトが開発され区別のためにSOHC、DOHCと表記されるようになっています。SOHCはカムシャフトが1本なので部品の数が少なく軽量です。DOHCエンジンより整備しやすいエンジンとなっています。

OHVは「Over Head Valve」の略です。シリンダーの横にカムシャフトが位置していて、プッシュロッドという棒でロッカアームを押し上げバルブを開閉させるシステム。このエンジンはOHCエンジンに比べ構造が単純、軽量なため整備がしやすいメリットがあります。

可変バルブタイミングの採用の有無

バルブのタイミングを決めるのはカムシャフトの断面形状。カムプロフィールともいわれます。金属でできているカムプロフィールは自由に変化させることができません。

回転数に応じてバルブタイミングを変えることが可能であればエンジンの性能は向上します。バルブタイミングを変化させるために開発された可変バルブタイミング。VTC、VVTと呼ばれています。

バルブリフトの量を変化させる機構もありVTECと呼ばれているものです。通常のカムプロフィールに高回転に適したハイカムの2種類のカムシャフトを搭載しています。各自動車メーカーにより名称が異なりますが、VTCやVVT、VTECなどにオリジナルの名称をつけています。

燃費性能のよさ

直噴エンジンは通常のレシプロエンジンとは異なり、ピストンシリンダーに空気だけを取り入れガソリンを直接シリンダー内に高圧で噴射します。「筒内噴射式」とも呼ばれるエンジンです。シリンダー内部に直接噴射し爆発させているので燃焼効率が高いのが特徴。

国土が広大で移動範囲も広い欧州で開発されたエンジンです。少ない燃料でも燃焼力が高く、高速走行した際も燃費効率がよいことがメリットといわれています。排気ガスもクリーンで環境にやさしいエンジン。デメリットとしては、エンジン内に「すす」がたまりやすいのでレギュラーガソリンなどを使用すると異常燃焼を起こしやすくハイオクガソリンが推奨されています。

DOHCの採用車で理想的なエンジン特性を得よう

以前は高級スポーツカーに搭載されていたDOHCエンジン。近年の技術開発により低燃費化を実現しています。世界のメーカーでも採用されているエンジンですが、そのメリットは吸排気効率がよいことです。

高回転で高馬力のエンジンですが可変バルブタイミング機構も搭載するとによりエンジン性能はさらに高まります。快適なカーライフを送るためにもエンジンの性能にも着目してみましょう。

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