キャブオーバーの知識を深めて、一味違ったカーライフを送ろう

キャブオーバーの知識を深めて、一味違ったカーライフを送ろう

CAR / MOTORCYCLE 2018.02.27

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キャブオーバーの特徴

エンジンの上に運転席がある

キャブオーバーというのは、エンジンの上にキャビン(運転席)がある構造の車をさします。普段よく見かけるトラックなどがこの「キャブオーバー」です。

その対義語は「ボンネット型」。運転席より前にエンジンがある構造の車で、ボンネット部分が出ている乗用車は、この分類に入ります。

日本では当たり前になっているキャブオーバー型ですが、北米やカナダではボンネット型が主流です。国により主となる型が違うのはなぜなのでしょう?それは、ボンネット型のデメリットを払拭するぐらいの土地や道路状況が備わっている、という理由に加え、日本や欧州のように車両規制があまり厳しくないからです。

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主にトラックやバスに用いられる構造

ではなぜ、トラックやバスにこの構造が使用されるのでしょうか?

日本には厳しい車両規制があるので、ボンネット型にしてしまうと荷物を載せる部分が限られてきてしまいます。一度に運べる荷物の量が減り、仕事の効率が良くありません。

しかし、エンジンの上に運転席を置けば、他の空間を最大限に大きくとることができます。そうすることで、荷物を多く運搬でき、仕事を効率よく行えるようになりました。

トラックはキャブオーバーが主流

現代のトラックは、キャブオーバー型が主流になっています。残念ながら、日本の道路事情は大型車にとって、お世辞にも「快適」とはいえません。車両規制はもちろんですが、狭い道で小回りを利かさなければいけない場合、ボンネット型ではニーズが合わないのです。

このようなことから、日本ではキャブオーバー型が主流になってきました。大きなトラックはもちろんなのですが、軽トラックもキャブオーバー型で、同じ構造です。

軽トラックは「フルキャブオーバー」と「セミキャブオーバー」があり、現在はほとんどの軽トラックがセミキャブに移行。その理由は、衝突時の安全性を考慮した為です。

「フルキャブ」とは、フロントタイヤの上に座席があるものを指し、「セミキャブ」は車体の前方にタイヤが配置され、小さなボンネットがついているものです。このボンネットのお陰で、衝突時に大きな被害が出にくくなります。

CabとはCabinからきている

キャブオーバーの「キャブ」とは、運転席や室内空間を意味する「Cabin」からきており、その最初の3文字をとって「Cab」と表記しています。

余談ですが、トラックのキャビン部分の上に箱のようなものがあるのをご存じでしょうか?そこは運転手の方が快適に寝ることができる空間になっているのです。

横になることができるので、運転で疲れた身体をしっかり休めることができます。これは意外と知られていない情報なので、これからトラックを見かけたときは、いつもと違う目線で見ることができるでしょう。

COEと略されることもある

英語では「Cab over Engine」と表記。「運転席の下にエンジンがある」という意味で、軽トラックもこの中に属します。それぞれの頭文字をとり「COE」と略されることもあります。ハイエースやキャラバンなどもCOEと呼ばれる部類に属しています。

フォワードコントロールと表現されることもある

トラック以外には商標として、ジープやランドローバーもキャブオーバー型ですが、「フォワードコントロール(FC)」という表現もあります。FCとはエンジンやトランスミッションを前方から操作するという意味の略称。

キャブオーバーのメリット

貨物室のスペースが大きくとれる

ほとんどの国では車体の大きさに規制がかけられており、全長ももちろん制限させるので、沢山の荷物を乗せるには、貨物室をいかに大きくとれるかが肝になります。

そこで重要となるのが、運転室の容積です。ここを沢山取ってしまうと貨物室は小さくなります。しかし運転席を小さくしてしまうと、運転手にとってとても窮屈な空間になってしまうでしょう。

双方の願いが叶えられる構造が、キャブオーバー型。エンジンと運転室を2階建て構造にすることにより快適な空間が生まれ、一石二鳥といえます。

前方の視界が良い

先ほど記載したように、2階建て構造になっているトラックは、前方に何の障害もなく、高い所から見下ろせる為、視界は良好です。フロントガラスが大きくとられているというのも、視界良好の要因の一つと言えるでしょう。

視界がよいことと、高い位置からの運転はとても気持ちがよいものです。大型になればなるほど「ゆったりとした気持ちで運転ができる」というのは、このような状況から生まれる「余裕」なのではないでしょうか。もちろん大きくなるほど技術を要します。

プロの意識をしっかり持っているからこそできる「余裕」は、とてもスマートです。

キャブオーバーのデメリット

前方の衝突に弱い

正面から衝突した際、ボンネット型の車両はエンジンルームが先に壊れてしまい、衝突時の衝撃を吸収してくれます。これをクラッシャブルゾーンといいます。クラッシャブルゾーンは、人が乗る「キャビン」部分(セーフティゾーン)に比べ壊れやすく設計されている為、衝突時にクッションの役割を果たしてくれる利点があります。

キャブオーバー型はこの「クラッシャブルゾーン」が全くないため、前方からの衝突安全性が悪くなってしまうのは、いうまでもありません。

しかし現在ほとんどの車が、衝突時における乗員の保護を考慮して設計されている「衝突安全ボディー」を採用しています。この技術は各メーカーにより異なるのですが、トラックを製造しているメーカーも同様の技術を取得しているので、一概に「キャブオーバーのデメリット」とはいえないでしょう。

運転席の快適性が低い

運転席の空間を大きく取ることにより圧迫感がなく過ごせるのは快適なのですが、エンジンの上に座席があるので、エンジン音や振動、熱などが伝わりやすくなります。その為、運転時の快適性は低いといえるでしょう。長距離の運転手さんが腰を悪くしてしまうのは、これが原因の一つだといわれています。

振動ももちろん不快なのですが、2階建て構造がゆえに座席部分が揺れやすくなってしまうのも、不快要因のひとつになってしまいます。

整備性に優れていない

エンジンやトランスミッションを整備する際、普通乗用車はボンネットを開けるだけでエンジンが露出します。しかしキャブオーバー型はボンネットがない為、キャビンの部分を跳ね上げて整備をしなくてはいけません。座席部分を持ち上げるので、大掛かりになってしまいます。

左折する際視界が良くない

前方の視界が良好というメリットがある一方、右ハンドルの車では左折をする際の視界があまり良くありません。そのため、少しでも視界を確保する為に、ドアの下部がガラスになっている構造のものが多くなっています。これにより、左折時の巻き込みのリスクを減らすことが可能になりました。

キャブオーバーとバンの違い

どちらもエンジンの上に運転席がある

ここで疑問視されるのが、トヨタのハイエースなどのワンボックスバンとの違い。どちらも運転席がエンジンの上にあるので、上記のことを踏まえると「キャブオーバー型」と記載して当然だと誰もが思っていることでしょう。

しかし、ハイエースの車検証には「バン」と記載されています。これはどのような違いがあるのでしょうか?

運転席と荷室が分離しているのが「キャブオーバー」

キャブオーバー型は車体の構造上、運転席と貨物部分が分かれているものを指します。貨物部分が分かれていることにより、後方を大きくとれる構造で、荷物を沢山運べるメリットがあります。

また運転席を分離することにより圧迫感がなくなり、快適な空間を得ることができる為、よりよい運転をサポートすることができます。

ワンボックスカーは「バン」

それに対し、運転席と貨物部分が一体化しているものを「バン」といいます。主に、ハイエースやキャラバンなど。

厳密にいうと、このような車種は「キャブオーバーバン」となるのですが、車検証など、公的に基づく分類では、トラックを「キャブオーバー」、ワンボックスの貨物車を「バン」と記載しています。

キャブオーバーのトラックを紹介

三菱ふそう キャンター

http://www.mitsubishi-fuso.com/content/fuso/jp/lineup/truck/canter/index.html

小型トラック「キャンター」の2017年モデルは最新の技術を用いて登場。ドライバーの疲労を軽減し、仕事がはかどる工夫を詰め込んだ内装になっています。黒とシルバーを基調としたインテリアで、とても落ち着いた印象を与えます。

GVW(車両総重量)7.5t超の2016年排出ガス規制対応。九都県市指定低公害車も取得しました。安全性や快適性を考えながら、低燃費走行も可能にしています。低排出ガス車認定車で、エコカー減税の対象になりました。

日産 アトラス

https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/nt450atlas.html?Ref=h_car&CarType=h_1&BodyType=h_9&EcoCar=h_0&PriceRange=h_200-1000&BodyColor=h_0&FuelEfficiencyRange=h_0&SeatRange=h_0&DisplacementRange=h_0&DriveType=h_0&NameIndex=h_0&OrderBy=h_0&Tab=h_1

九都市指定「優」低公害車に指定されている「NT450アトラス」は、環境にやさしい作りになっています。アイドリングストップシステムを搭載し、燃費性能がよいのが特徴。

「トラックは燃費が悪い」が当たり前になっているのですが、新型アトラスは最大積載量2tで、11.6km/Lを可能にしました。これはとても素晴らしい結果で、大型車ではありえない距離となっています。

高燃焼効率エンジンの採用により燃費を向上させたり等、様々なCO2排出量の削減に取り組み、環境に優しい車として登場しました。

新世代トランスミッション「DUONIC?2.0」を採用。運転時のわずらわしさをなくし、スムーズな走りを実現しています。

トヨタ ダイナカーゴ

http://toyota.jp/dynacargo/

低燃費、低排出ガス、走行性能、イージードライブを兼ね備えたディーゼルハイブリッド車。高性能ハイブリッドはいまやトラックにも当てはまる時代です。専用エンジンの搭載により、理想的なディーゼルハイブリッドが完成しました。

とても明るいディスチャージヘッドランプと搭載。ABSに加え、積載状況に応じてブレーキを最適に制御してくれるEDB(電子制動力配分制御)機能付ABSも採用し、より安全なドライビングができるように考慮されています。

1.0t、2.0tそれぞれのGパッケージは、電動格納式熱線リモコン2面鏡式ミラーや内装の充実した装備などから、上級仕様として登場しました。

身近で働く車「キャブオーバー」を知ろう

上記にキャブオーバー型のデメリットを挙げましたが、必ずしも全車種がこのようなデメリットを持っているとは限りません。技術の向上により各メーカーが、デメリットを打開する為に日々努力をしています。乗り心地もずいぶんと改善され、長距離運転時の疲労も軽減されてきました。

このように、キャブオーバー型は、身近で働く車に採用されています。この構造を知ると、今まで何気なく見ていたトラックが一層輝いて見えてくるかもしれません。身近で働く車。見かけたときはそっと応援してあげてください。

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