運動前のストレッチが体にもたらす効果
運動前に行うストレッチでは各部の関節の伸縮を行いますが、一つ一つの体の動かし方には意味があります。意味が分からずにストレッチを行っても、ストレッチの効果は最大限に得ることはできません。以下の内容ではストレッチの具体的な目的と、必要性を説明しています。
人によってストレッチをする目的は異なります。そこでこの記事ではさまざまな種類の、ストレッチを紹介しています。各々に合ったストレッチ方法を選択すればいいでしょう。
運動前のストレッチが必要な理由
以下の内容ではよく知られているストレッチの効果と、ストレッチが体に及ぼす作用を紹介していきます。ストレッチの効果や作用を知ることによって、気を入れてストレッチを行うことができるようになります。
ケガの予防
ストレッチが怪我の予防になることは、よく知られています。ここでは復習を込めて、ストレッチの具体的な効果を紹介します。ストレッチを行うときは筋肉をよく伸ばすことですが、筋肉を伸ばすことによって体の可動域が広がってきます。ストレッチを行うことで筋肉が温かくなり、筋肉が張る状態を回避することができます。結果的に肉離れを始めとする、怪我を少なくすることができます。
脂肪の燃焼効率が上がる
ストレッチをすることで、筋肉が温かくなることは説明しました。筋肉が温かくなり基礎代謝が増してくると、血流が良くなってきます。血流がよくなることにより摂った栄養分が、スムーズに体に吸収されるようになると言われています。ストレッチはダイエットにも効果的と言われますが、基礎代謝をよくすることで、脂肪燃焼効果がよくなるのでしょう。
パフォーマンスが向上する
ストレッチは体の可動域を、広くする効果があるのは説明しました。体の可動域が広くなれば体を自在に動かすことができるようになり、スポーツをしている人はパフォーマンスの向上に期待が持てます。大リーグのイチロー選手は40代の今でも、ストレッチを欠かすことがありません。今でも瞬間的なパフォーマンスは、若い選手に負けていません。入念なストレッチがイチロー選手の選手寿命を、延ばしている可能性は大いにあります。
運動前におすすめのストレッチ
ストレッチにはいろいろな種類があります。以下の内容では、目的別のストレッチを紹介していきます。運動の種類によって、使う関節が異なってきます。特定の関節を柔らかくしたい方は参考になるでしょう。
ブラジル体操
サッカーファンであれば、サッカー王国のブラジル選手が試合前に体を大きく動かす、ストレッチを見たことがあるでしょう。ブラジル体操の効果は、体の可動域を広げることが挙げられます。大きく関節を動かすことによって、体の可動域が広がっていきます。他には心拍数や血圧が上昇して、気分が高揚してくる効果も注目されています。
股関節のストレッチ
股関節のストレッチは有名で、いくつかの種類があります。ここで紹介する股関節のストレッチは、立ったまま行います。両足で立ち片足を90度まで上げます。太股がほとんど平行になっている状態になります。その状態から上げた足を左右に回します。足を回すときは、円を描くように回したらいいでしょう。バランス感覚も付き、股関節の可動域も広がります。このストレッチは最初は難しいですが、慣れてきたら気持ちよく行うことができるようになるでしょう。
膝を動かす屈伸運動
屈伸運動は学校の体育の時間でも採用されています。屈伸運動は膝の関節だけではなくて、足首を柔らかくするのにも効果があると言われています。やり方は簡単です。まずは両足で真っ直ぐ立ちます。その時は膝の向きは、つま先の方向に向くようにします。踵を上げないで膝に手をあてて、腰を落としていきましょう。腰を落とす時はバランスに気をつけて、後ろに倒れないようにすることが大切です。
肩甲骨のストレッチ
肩の可動域を広げる肩甲骨のストレッチもあります。やり方を説明します。まずはリラックスしながら両足で立ちましょう。その状態で肩を前向きに回していきます。回す時のコツですが、小さな円を描くように回せばいいです。このストレッチは後ろ側にも回せます。後ろに回す時も同じように、小さな円を描くように回しましょう。
運動前のストレッチが逆効果となってしまうやり方
運動前のストレッチが、効果があるのは分かりました。しかしストレッチの種類によっては、適していないケースがあります。以下の内容では運動前に適しているストレッチの紹介と、ストレッチをする際に注意することを説明していきます。
静的ストレッチだけを行う
ストレッチには動的ストレッチと、静的ストレッチがあります。紹介したストレッチは、動的ストレッチです。静的ストレッチは関節を可動域ギリギリまで伸ばした状態で、一定時間キープします。リラックス効果を得るのに、効果があると言われています。
しかし運動前のストレッチは、動的ストレッチの方が適しています。理由としては気分が高揚していた方が、運動のパフォーマンスが上がることが挙げられます。もし静的ストレッチを行う場合は、動的ストレッチと組み合わせて行えばいいでしょう。
筋肉の伸ばし過ぎ
ストレッチは可動域を広げるために関節をある程度は伸ばしますが、伸ばしすぎには注意が必要です。伸ばしすぎると、筋肉や関節を傷める恐れがあります。ストレッチで関節を柔らかくすることは、一朝一夕には実現しません。毎日少しずつストレッチをすることによって、関節の可動域が少しずつ広がっていくのです。ストレッチの効果を焦らずに、地道に行うことを意識しましょう。
時間のかけすぎ
ストレッチは入念に行う必要がありますが、必要以上に時間をかける必要はありません。あくまでも運動前の準備運動という、位置付けを忘れてはいけません。必要以上にストレッチに時間をかけることよりも、常に正しいフォームで行うことを意識しましょう。正しいフォームで行うストレッチは、ストレッチ効果を最大限に得ることができます。
正しいストレッチで体の準備を整えよう
ストレッチの種類と、ストレッチのやり方を紹介してきました。運動は健康に良いのは確かですが、運動によって怪我をする人はいます。しかし入念にストレッチを行うことで、怪我をする可能性を低くすることはできます。正しいストレッチを行って、体の準備を整えましょう。