国債よりも利率が高い社債の魅力について

国債よりも利率が高い社債の魅力について

BUSINESS 2018.07.10

自己資金をどういう形で運用するのがよいのか、迷っている方も多いでしょう。虎の子の資金を、株式、FX、ビットコインなどのリスクの高いものに投資するわけにはいかない、けれど定期預金では利率が低すぎる…そんな方にお勧めしたいのが社債です。

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社債とは

社債とは、企業が発行する債券のこと。企業は、自社の資金を調達する一手段として社債を発行します。
一方社債を買う購入者は、満期までその債権を持ち続けることで、定められた分の利息を受け取ることができます。国債よりも金利が高いことが魅力です。一方で、企業が発行するものなので、その企業が倒産すると、元本を全て失う最悪の事態も起こる可能性があります。
しかしそうしたリスクを承知した上でなら、資産運用の一つの方法として、十分に検討する価値のあるものです。?

社債は会社が資金を集める一つの方法

社債とは、企業が発行する債券のことです。企業は、自社の資金を調達する一手段として社債を発行します。簡単に言えば、企業が購入者に対して借金をする、そしてその借金の利息が、購入者の利益になる、というしくみです。

預ける期間が決まっていて定期的に利息が入る

社債は国債などと同様、償還期限、つまり預ける期間が決まっています。また、定期的に利息が入るところも国債と同じです。

銀行に比べ金利が高い

社債は、銀行の定期預金と比べると金利が高いのが特徴なので、低金利の時代にはさらに注目が集まるのです。ならば皆、社債を買うべきでしょうか?金利だけ見ればそうなりますよね。
しかしこの高金利には理由があります。前述したように、社債とは企業が資金調達のために発行するものですが、企業ですから本業の業績が悪化すれば最悪倒産することもあります。
つまりこのリスクがあるために金利が高くなっていて、リスクと金利との関係は基本的にリスクが高い程、金利が高くなると考えましょう。

社債の種類について

社債にはいくつか種類があります。最もベーシックな社債が普通社債(SB)で、個人での購入が最も多いのがSBです。転換社債(CB)は一定の価格でその会社の株に交換できる権利が付与されたもので、もし株に転換しなければ普通社債と変わりません。
またワラント債は、一定の価格でその会社の株を購入できる権利が付与されています。通常の社債に加え、株式を購入するための資金が追加で必要になります。
さらに劣後債というものもあります。これは、企業業績の悪化等で企業が債券不履行(デフォルトといいます)状態に陥ったときに、その弁済が一般の債権者より後回しになる、という負の条件をあえて織り込んで、その代わりに高金利を約束するという特殊な債券です。

社債における3つのリスク

発行体の信用リスク

「信用リスク」は社債を検討する際に、最も理解しておかなければならないリスクです。なぜならば、社債を購入する際に購入者が一番気になるものは金利であり、ともすれば金利のみで商品を選んでしまうからです。金利が高いものを選ぶ、ということはリスクの高いものを選んでいるということですから、そのリスクの内容を知らないのは問題です。
発行体は企業である以上、最悪倒産する可能性があり、そのリスクがあることが社債の金利が全般的に高い理由です。銀行預金などは、仮にその銀行が経営破綻したとしても預金を保全するしくみがありますが、社債には基本的にこうしたしくみはありません。
また個別の企業に関して言えば、その企業の信用度が低い程、社債の利率は高くなる傾向があるため、その発行体企業についてはきちんと調べる必要があります。
社債にはその商品ごとに、AAとかB、BBなどのアルファベットで示される格付けが付与されていますので、必ずこの格付けは確認しましょう。ただし、格付けの記号とその基準は格付け会社によって微妙に異なりますので、いくつかの商品を比較する際は注意が必要です。同一の格付け会社の、格付け同士で比較してください。
格付け以外にも、その発行体企業の業種、最近の業績、見通し、同業他社の業績との比較など社債の商品選びの材料ですので一通りチェックしてみてください。

中途換金時の価格変動リスク

中途換金、つまりどうしても社債を売ってお金にしなければならない事態になった場合のことです。社債は満期まで持ち続ければ額面金額をと利息をともに受け取ることができますが、期間途中で換金するためには、その社債を売らなければなりません。しかしその売価は、市場の相場により変動します。
企業の業績が悪化したり、全体の市況が冷え込んだりすれば購入時よりも債券の価格が下がることがあり、その程度によっては元本割れすることもあります。これを「価格変動リスク」と呼びます。

売るときに売れなくなる流動性リスク

「価格変動リスク」の延長線上にあるものです。社債の発行、及びその償還は発行体である企業が行うことですが、償還前にその社債を売買するのは発行体の企業ではありません。
株式などと同じく証券会社が取り扱い、証券会社は、買い取った社債を基本的には転売します。しかしその社債の価値が著しく下がってしまうと、買主を探すことが困難となるため、その保証金分が売却価格から差し引かれ、市場価格より更に低い価格でしか売れない、という事態が起こります。
人気のない商品は売れないし、市場にも流通しない、ということです。これを「流動性リスク」といいます。

社債のメリットとデメリットについて

社債の仕組みや魅力を紹介

社債のメリットについて

定期預金や国債と比べて金利が高い

社債の「信用リスク」は定期預金や国債と比べて高いので、その分金利が高いというメリットがあります。2018年3月に発売された、SBI証券債(1年物)の利率は0.4%(税引き前)、税引き後でも0.318%。定期預金の金利0.01%、国債の金利0.05%に比べて破格の金利となっています。
過去に販売された社債ですが、2015年のソフトバンクグループの社債は何と2.13%(7年物)です。社債の利率はこのように大きく開きがあります。ところで、利率が大きいものの中には【劣後特約付き】とかかれたものがありますが、これは社債の種類の項で述べた「劣後債」です。万一破綻した場合、元本の戻る可能性が通常のものより低くなる分、金利を上げるということですね。
ですがそもそも、そのようなこと(破綻)が起こる確率は極めて低いものです。それを割り切れる方にとっては、この【劣後特約付き】の商品も、魅力あるものとなるでしょう。

満期になると満額返ってくる

満期まで持ち続ければ、額面通り償還されます。「信用リスク」は存在するものの、株式などに比べれば、圧倒的にリスクの少ない商品であると言えます。また定期的に入る利息収入は小遣い稼ぎになりますね。

発行企業によっては特典もある

社債を発行する企業によっては、購入時に特典をつけているものもあります。社債購入時にはこうした特典情報もしっかりチェックしましょう。

社債のデメリットとは何か

買いたいと思った時に買えない

社債の発行は、それぞれの企業の都合でもあるため、予測できず、また全体の傾向としても波があります。発行が少ないと、購入が集中するので、募集開始数時間で売り切れ、というようなことが起こります。
個人資産運用という点からは「発行のタイミングと自己資金のタイミングを合わせるのが難しい」というデメリットがあります。

いつでも新聞でチェックすることができない

社債には、株式のような手軽さはありません。
証券会社の窓口や、ホームページでチェックする、という情報収集の仕方になります。社債販売募集の広告を見つけたら、内容をチェックしましょう。
また社債の取り扱いは、取り扱い証券会社とセットになっていますので、購入する社債に合わせて口座開設もしなければなりません。

途中売却したとき元本割れの可能性がある

社債購入の基本的な考え方は「満期まで持ち続ける」ということです。中途で換金する場合は、市場価格での売却となるため、売却価格が予想できず相場の状況によっては元本を割ってしまう危険性もあります。ですから、流動性を持たせたい個人資金で購入することはお勧めできません。
あくまでもそれぞれのマネープランの中で、一定の期間手をつけずに置いておくことができる資金で購入する、と考えましょう。

発行体が倒産するとお金が返ってこないことがある

発行体企業が倒産、あるいは経営破綻すると、社債として預けられていた元本を回収できないという最悪の事態が起こります。この状態をデフォルト(債務不履行)と呼び、こうなると債務者はその資産を保全するために法的な措置を取るしかありません。
しかし当然のことながら、被害を被った相手は社債の購入者だけではなく、それぞれの弁済をその時点でその企業が保有している限られた資産から、配分します。従ってどの程度戻ってくるかは全く保証されておらず、最悪全額失うことも考えられます。
過去のデフォルトの例では、2010年にJALが経営破綻した際に、発行済社債670億円相当がデフォルトとなりました。この際実際に弁済されたのは、その額面の20%程度であったと言われています。
その他のデフォルト例は、2001年のマイカル(3500億円)、2012年のエルピーダメモリ(4480億円)などがあります。

社債を購入するには

社債は証券会社のみが取り扱う商品

社債は証券会社が取り扱っていますが、株式のようにどの証券会社でも取り扱う、というようなものではありません。基本的にその社債に対して証券会社が決まっています。ですから、社債を購入するためには証券会社の口座開設が必要です。

社債の最低単位は50万円から100万円単位

社債の購入単位は、100万円単位か50万円単位のものが多いですが、最近の傾向だと電力債というもので10万円単位のものも増えてきました。そもそも企業の発行する社債には法人向け、個人向けの2種類があって、主流は実は法人向けなのです。
法人向けだとその購入単位は1億円単位、というオーダーで、資金調達という元々の目的からすれば、これは当然と言えます。個人向けの場合、管理面からは購入者が増えれば管理コストが増えるので、これを抑えようとすれば結果的に最低単価を大きく設定せざるを得ません。
しかし最近の傾向では、この資金調達というもともとの目的以外に、顧客を確保するという目的で広く募集をしたいために、この最低単価を引き下げるケースも増えてきているようです。
その背後には、証券取引部門を持っている会社が社債を発行することが増えてきたことも関係していると考えられます。SBI債、マネックス債、ソフトバンク債などはいずれも証券会社と密接に関係していますので、単価を引き下げることで口座開設者を増やすことができます。
個人向け社債をとりまく環境は、このように変化していきますので、日ごろからウオッチしておくと、実際に購入する際に迷わなくて済みます。

個人的な債券勧誘の電話は詐欺の可能性が高い

社債は、それぞれの発行体企業の戦略として発行されるものですから、いつ発行するかは完全に企業次第です。ここ2~3年は、新規発行が少ない状況が続いていますので、一度発行の募集がかかると、注文が殺到します。
株式の世界などでも、大型株の上場があると、それに絡んだ詐欺事件が起こりますが、同じように社債の発行においても、投資詐欺が起こりやすいのです。また「オレオレ詐欺」などでもそうですが、手口が複雑化しています。この投資詐欺の手口の一つに「名義貸し」と言われるものがあります。
伝統的な投資詐欺は、例えば「抽選の結果あなたに○○社の社債購入の権利が当たりました、購入しませんか?」というものでしたが、この「名義貸し詐欺」では、それに続いて「購入しないのならば、その権利を譲ってくれませんか? 応じて頂ければお礼を差し上げます」と名義を貸してもらうように要求します。
これを口頭で了承すると、後日全く別の人物から「名義貸しは犯罪だ。被害が出たので弁償してくれ」というような要求が来ます。「オレオレ詐欺」となんとなく似てますね。もちろん個人的に付き合いのある証券会社から、新しく発行される社債の勧誘の電話がかかる、ということはあると思います。
ですから電話での勧誘が全て危険とは言えないのですが、前述の「名義貸し詐欺」の実例として「証券会社の社員を名乗る人物」から電話がかかってくるケースが報告されていますので、証券会社からの電話だから安心、とも言い切れません。
電話で勧誘され、しかもその相手が知らない人であるのなら、詐欺の可能性を疑うべきでしょう。

銀行の金利が安い今だからこそ社債の魅力を感じよう

社債について色々と見てきましたが、いかがでしょうか?さまざまなリスクがあり、手を出しづらいなと思われましたか?しかし社債の「信用リスク」は、あくまでもリスクであって、これまでに発行された、ほとんどの社債は無事償還され、購入者は利益を得ています。そもそも確率としては極めて低いリスク、なのです。
株式やFXなどとは比べ物にならないほど安全である、ということは紛れもない事実です。また「価格変動リスク」や「流動性リスク」は、満期まで持ち続ける限り、関係がありません。すなわち社債購入は「信用リスク」を理解し「満期まで持ち続けられる範囲での資産運用」という二つのポイントを踏まえれば、人生計画の中で有効に使える魅力あるものですので、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか?

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