高級セダン「チェアマン」の秘密と魅力。誕生秘話から最新モデルまで

高級セダン「チェアマン」の秘密と魅力。誕生秘話から最新モデルまで

CAR / MOTORCYCLE 2018.07.12

韓国車で人気のチェアマン。初めて聞いたという人も多いのではないでしょうか。チェアマンは日本ではあまり知られていませんが、海外では人気のある車種です。今回は、そんなチェアマンの魅力を徹底解説。少しマイナーな車種に詳しくなりたい方は必見です。

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韓国車チェアマンの実態とその魅力

皆さんは、韓国車チェアマンのことをどれだけ知っているでしょうか。名前は聞いたことがあるけれど、詳しくは知らないという人が多いと思います。
ここでは、チェアマンの魅力や歴史なども詳しく紹介。さらに、チェアマンの生みの会社である「サンヨン自動車」についても解説します。これを読めば、韓国の車事情も知ることができるでしょう。

韓国車チェアマンの魅力

まずは韓国車チェアマンの魅力について説明します。チェアマンにはどんな魅力があるか、一つずつ見ていきましょう。

キャッチコピーは「ベンツの血統」

チェアマンは、1997年にサンヨン自動車初の高級セダンとして誕生しました。初代の車は、まさにベンツそのもの。このため、チェアマンは「ベンツの血統」というキャッチコピーのもとに生まれました。
チェアマンは、英語で議長や会長という意味があり、組織のトップを意味する単語です。サンヨン自動車のチェアマンには、これらの意味があると同時に、「高級車に乗ることで自信と誇りを与える」という意味も込められています。車種の名前がカッコよく、人と差をつけられることが魅力でしょう。

最新モデルのチェアマンW カイザー(KAISER)

2008年にニ代目のチェアマンである「チェアマンW」が誕生しました。「チェアマンW」は、2016年にマイナーチェンジをしており、この名称に至っています。サブネームについている「カイザー」とは、ドイツ語で皇帝や帝王を意味する言葉です。
Wカイザーのスペックですが、レンズの周りやドアミラーを内蔵しているターンランプなどに、LEDを多く使用しています。LEDを使用していることにより、見た目がクールで高級感のあるデザインになっています。
さらに、LEDを使用することは見た目だけでなく、機能性も向上させることになります。LEDランプは、白熱電球よりも寿命が長く、エネルギー効率がよいので節電につながり経済的。このため、LEDランプを使用することは、デザインだけでなく、機能性の充実にもつながります。
また、「チェアマンW カイザー」は、ハーマン・カードン製のオーディオシステムを採用しています。ハーマン・カードンとは、世界中の音楽ファンから愛されている音響ブランドです。ハーマンカードン製のオーディオは、高いデザイン性とともに、伝統ある音響技術を融合したオーディオシステム。BMWやメルセデス・ベンツなどにも供給されており、あらゆる名ブランドで使われています。
ほかにも、電子制御のサスペンションを搭載。電子制御のサスペンションは、速度や路面などのあらゆる状態から、相応のサスペンションを調節します。電子式のパーキングブレーキもあり、あらゆる条件を満たした際に、パーキングレバーを引いたりボタンを押したりしなくても、自動でパーキングモードに入れたり解除できたりします。
スマートエントリー&プッシュスタートシステムも採用で、わざわざキーを出さなくても、自動でドアを開けたり、エンジンを掛けたりできます。このように、最新モデルの「チェアマンWカイザー」には、快適装備とともに先進装備が取り入れられています。

選べる3種類のエンジンスペック

チェアマンWカイザーは、3種類のエンジンスペックから選べるところが特徴的。まずは、3.2L・直6エンジン搭載の「CW600」と、3.6L・直6エンジン搭載の「CW700」。「CW700」には、ホイールベースを延長して作られたリムジン「CW700L Limousine」も用意。また、ハイエンドモデルの「SUMMIT」もあり、種類の幅が広いことも魅力の一つでしょう。「CW700」には四輪駆動の「CW700L 4Tronic」もあります。
さらに、これらの二つに加えて、メルセデス製5L・V8エンジン(M113)を搭載した「V8・5000」があります。「V8・5000」にもホイールベースを延長したリムジン「V8・5000L Limousine」が用意されています。すべての車は「7G-TRONIC」という7速AT(自動変速機)の組み合わせです。

チェアマン最新モデルまでの歴史

最新モデルには、さまざまな機能を搭載した車であることがわかりました。しかし、その最新モデルが誕生するまでには、どのような歴史があったのでしょうか。ここでは、チェアマンの誕生当初からの歴史を辿ってみましょう。

1997年に発売開始

チェアマンは、1997年にW124型のメルセデス・ベンツをベースに登場。1997年の韓国は、アジア通貨危機があり、経済状況が悪化した時期でもありますが、チェアマンはこの中で高級セダンとして誕生し、「韓国のベンツ」としてデビューしました。

初代チェアマン二度の車名変更

初代のチェアマンは1997年の誕生以降、1998年と2000年に二度の車名変更を行っています。1998年は、サンヨン自動車が当時の大宇自動車に吸収されたため、チェアマンは「デーウ・チェアマン」という名前で売られていました。
しかし、2000年にサンヨンブランドが復活したため、そこで名称も「サンヨン・チェアマン」に変更しています。

2001年から2006年までのモデルチェンジ

2001年にラジエーターとホイールの意匠を変更。外装を変え、ビジュアルのグレードアップを図っています。さらに、2003年には前後デザインを大幅に変更し、デザインの面で改良を重ねています。2006年には3.6Lエンジンを追加。デザインだけでなく、機能面も充実させています。

2003年のマイナーチェンジ

2003年にチェアマンは、前後のデザインをガラリと変えるなどして、大幅にマイナーチェンジされました。

2008年チェアマンの後継者チェアマンW登場

2008年には、初代のチェアマンの後継者に当たる「チェアマンW」を投入。この「W」は、World Classの頭文字を取っています。世界に通用する車として、名付けられたのではないでしょうか。これは、チェアマンの後継にあたる車種として登場しています。
同年に初代のチェアマンは車名を「チェアマンH」に変更。「H」は、HIGHの頭文字を取って名付けられています。グレードを3.2Lエンジンの「600S」、2.8Lエンジン搭載の「500S」へと集約されました。

2011年のマイナーチェンジ

「チェアマンH」は、2011年にマイナーチェンジを行い、フロントマスクを大きく変更。前面のデザインを大きく変えています。「チェアマンW」もマイナーチェンジを行い、名称を「ニューチェアマンW」へと変更しています。「ニューチェアマンW」も、フロント周りのデザインを大きく改良しました。
装備にはオートレベリングシステムが付いたのHIDヘッドライトを採用。このシステムが付いていることで、車両の傾斜に応じて、自動でヘッドライトの照射範囲を調整してくれます。これによって、ほかの車の眩惑を防止し、安全な運転を実現することができるといわれています。
ほかにも、ターンシグナルランプにLEDを使用し、バンパーと一体型のマフラーカッターを追加。走行中の距離や燃費の消費量など、さまざまな情報を表示できるトリップコンピューターも、新デザインへと進化しました。
全長も標準とリムジンともに25mm延びて、大きさも改良しています。3.2Lの四輪駆動モデル「CW600 4Tronic」発表されており、デザインと機能面を大きく改良されることとなりました。

2013年初代チェアマン廃止

2013年に初代チェアマンのモデルが廃止されてました。上述したように、「ニューチェアマンW」は、2016年に「チェアマンWカイザー」へ名称を変更し、現在に至っています。

技術提携

次に、チェアマンの技術提携の歴史について振り返ってみましょう。

メルセデスベンツとの技術提携

チェアマンは、メルセデスベンツとの技術提携を行っており、エンジンの供給を受けています。金型の提供を受け、ドイツ人の技術者も派遣されていたといわれています。

サンヨン自動車の歴史

1954年に河東煥(ハ・ドンファン)が、ソウル市で創立。創立当初はバスの生産に特化していました。その後、1962年に東方自動車工業株式会社を設立。1966年頃から東南アジアへの輸出も開始しました。1967年に当時の新進自動車(後の大宇・GM)と業務提携を行ってから、普通乗用車の製造も行うようになりました。
1974年にアメリカン・モーターズ?(AMC) と提携し、その後は消防車などの生産にも着手しています。1977年に東亞自動車に社名変更しましたが、1986年にサンヨングループに買収されてから、現在の社名へと変更しています。
着々と業務を拡大していたサンヨン自動車でしたが、初代のチェアマンを発表した後、過剰な投資とグループ内の対立などから、経営が悪化。サンヨンブランドが一時的に消滅する時期がありました。その後、中国の三大自動車製造企業グループの一つである上海汽車が、株式の約半数を取得して傘下に収めましたが、当時の主力であった北米向けのSUVの輸出が急激に縮小したことから、再び経営。サンヨン自動車にとって、苦難の時期が続きました。
しかし、2010年にインドの自動車メーカーがサンヨン自動車を買収。2012年には、サンヨンブランドがインドの市場に上陸を果たすこととなりました。

韓国車のデザイン事情

次に、韓国車のデザインにはどのような事情があるかを見てみましょう。そこには、生産方式などの隠された秘密があります。

技術提携先と似たデザインになる

韓国では、ほかの国や企業で生産された主要な部品を輸入し、それを現地で組み立て・販売を行う「ノックダウン生産方式」が用いられています。そのため、技術提携している企業と似たようなデザインになる傾向があります。

洗練されたデザイン

韓国は自動車の輸入が自由化されてから、目覚ましい進化を遂げてきました。その中でも、韓国の車は洗練されたデザインが魅力的。韓国最大手の自動車メーカーであるヒュンダイから生まれたソナタは、韓国の有名なドラマでも使用されて、話題となりました。
ヒュンダイとは、世界の販売台数が日本の大手自動車メーカーホンダと同規模を誇るブランドであり、世界的な自動車メーカーとして知られています。

日本で今チェアマンを購入できるか

最後に、日本ではチェアマンが購入できるのか、その歴史と現状について見てみましょう。

以前は並行輸入されていた

チェアマンは、2007年ごろまで日本へ並行輸入されていました。GM大宇・マティスの代理店であるオートレックスが輸入していましたが、現在は中止されています。

現在は中古車販売がない

現在は、日本での中古車販売がありません。ただ、韓国には魅力的なデザインと機能性を持った車があるという知識があるだけでも、周りと差をつけることができるでしょう。

日本では輸入の少ない韓国車だが欧米では人気

ここでは、日本ではあまり知られていないチェアマンについて、歴史から現状まで詳しく紹介しました。チェアマンは、日本での輸入が少ない車種ですが、欧米では人気のある車です。
幾多のデザインと機能面と改良を重ねて進化してきたチェアマン。チェアマンをお気に入りの車種として、チェックしてみてはいかがでしょう。

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