学芸員の仕事には、日本の文化遺産を守る重要な役割がある

学芸員の仕事には、日本の文化遺産を守る重要な役割がある

LIFE STYLE 2018.07.24

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学芸員の世界を覗いてみよう

学芸員という職種名はよく見聞きするのものですが、具体的にどのような仕事なのでしょうか。学芸員は、ある種のエキスパート職になり、幅広い場所で活躍することができます。そんな学芸員という仕事の世界をじっくりと覗いて、理解しましょう。

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学芸員に求められる仕事は何か

学芸員は「博物館法」という法律により、専門職として働くポジションです。博物館や美術館だけで就業するイメージがありますが、動物園や水族館なども勤務地となります。こうした学芸員の幅広い仕事内容とはどのようなものなのでしょうか。

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博物館法で定義される専門職

学芸員という仕事は、「博物館法第4条」に記載されているポジションです。博物館や美術館にて、資料を元に研究や調査するだけではなく、展示や収集なども行います。これらに関連することも担う文化遺産のエキスパートです。展覧会を企画することや講師としてレクチャーすることもあり、業務内容は幅広いといえるでしょう。

活躍の場は博物館だけではない

学芸員の活躍する場所は、博物館や美術館のイメージがありますが、決してそんなことはありません。例えば、動物園や水族館で働いている人も学芸員です。植物園も活躍の場所でしょう。こうした施設だけではなく、民間企業なども就職先となります。アート作品や展示に関連する企業などで働くこともできます。公的な施設以外でも活躍できるのは、メリットではないでしょうか。

学芸員の仕事内容は広範囲

自身のポジションや施設によって仕事内容は変わりますが、学芸員は、広範囲な仕事を担います。資料の収集や研究だけではなく、展示会の企画、植物や生物がいる場所では、エサやりなども業務の一環です。展示会に来るお客様対応を行うこともあり、グッズ売りのサポートをすることもあるでしょう。
こうした雑務と並行して、調査や研究を行い、講演会を任されることもあります。多岐に渡る業務だからこそ、やりがいは大きいでしょう。

夢の広がる意義深い仕事

学芸員は、日本の文化を継承し、その価値をしっかりと伝えていく大変重要な役割があります。工芸品やアート作品などのコレクションは、日本の未来をより豊かにしていくために欠かせないものです。
昨今の訪日外国人急増と言う背景もあり、日本政府は、観光資源として文化遺産をアピールする動きを見せています。企画のオリジナリティーやユニークさなども求められており、学芸員はますます日本社会において重要なポジションになっていくでしょう。

欧米のキュレーターとは性質が異なる

欧米でも学芸員の仕事はあり、キュレーターと呼ばれています。しかしながら、日本とは若干仕事内容が異なります。例えば、施設運営のための雑務などが学芸員の仕事内容に含まれることもありますが、キュレーターは、幅広い業務に関わることはなく、もっと専門的な仕事を行います。また、施設内でマネジメントを担い、企画力なども試され、学芸員よりは偉いポジションになるでしょう。

学芸員になるための道のり

学芸員になるにはどうしたらよいのでしょうか。学芸員は、国家資格がなければできません。大学などで定められた科目を履修する必要があるでしょう。もちろん認定試験などがありますので、しっかりと勉強する必要があります。具体的に学芸員になるための道のりをチェックしておきましょう。

大学や短大で必要な単位を取る

学芸員になるためには、学校で博物館に関する科目を修得する必要があります。9科目19単位の博物館に関する学業です。大学では博物館学などを履修しましょう。短大でも必要な単位を修得することが可能です。大学や短大によっては博物館に関することは学べませんので、学校選びは十分気を付けてください。

通信教育で学ぶ方法もある

大学にもよりますが、通信教育で通学しなくても必要単位を履修することが可能です。リアルタイムで講義を聞くこともできれば、録画した講義を後でじっくり見ることもできるでしょう。通信教育という方法ですので、実習はできませんが、ご自宅でも学べるのは嬉しいポイントです。

学芸員補として3年以上の実務経験を積む

学芸員になるためには、学芸員をサポートする「学芸員補」として3年以上の実務経験が必要です。この経験に加えて、2年以上大学に通い、博物館課程の科目を合わせて62単位以上習得すれば、資格を手にすることができるでしょう。学芸員補自体は、高卒あるいは大検合格していれば、目指すことができるポジションです。

学芸員資格認定に合格する

他に学芸員の資格を取得する方法を挙げるとすれば、学芸員資格認定試験に合格することでしょう。ある程度の条件がありますが、それを満たしていれば受験可能です。また、書類審査や面接もありますので、これを通らなければ学芸員になれません。合格率は60%程度ですが、大卒・院卒レベルの知識が必要と認識しておきましょう。

学芸員への転職は可能か

学芸員の就職事情は、資格の取得率は高いものの、就職できる人が多いとは限りません。働く施設によっては、公務員として扱われます。昨今では、非正規職員に頼っている傾向もあるでしょう。就職事情もしっかりと把握しておく必要があります。

就職先は極めて狭き門

学芸員資格取得者は、1年で約10,000人ほどおり、学芸員として活躍できるのは、この中で1%に満たないといわれています。通年で募集していることはなく、基本的には、退職した者が出たときに募集するので、就職先は極めて狭き門でしょう。
しかも、離職率が高い仕事ではありませんので、求人自体がほとんどありません。場所によっては、1名しか雇っておらず、新しく人を雇う際も、経験値や知識が豊富な人を選びます。学芸員への転職はかなり厳しいと認識しておきましょう。

公立施設では公務員に準ずる扱い

博物館や美術館などは、公立と私立の2種類あります。それぞれで給与などが違いますが、それほど高給取りとはいえないでしょう。公立の博物館や美術館では、公務員に準ずる扱いとなり、公務員の給与などに影響されます。年収の目安は、250万円から400万円ほどです。

博物館は非正規職員が増加中

多くの博物館では、非正規職員が増えている状況です。なぜなら、収益が多いとは言えず豊富な予算があるとも言えませんので、人件費を削減するためにも、非正規職員を受け入れているからです。また、「指定管理者制度」という決まりがあり、民間企業が公的な施設を管理することができます。これも、非正規職員が増加している原因です。

地域創生のキーパーソンと期待される存在

地域によっては、地域活性化策の一環として、各エリアの文化遺産を活用して、観光客を呼び込む行動に出ています。また、ジオツーリズムやエコツーリズムなどの体験型のコンテンツに注力するなど、各自治体によってさまざまな企画を打ち出しているでしょう。こうした地域創生に欠かせないのが学芸員というポジションです。

学芸員の仕事は苦労も多いが達成感も大きい

学芸員は、幅広い業務を担いながら、文化遺産を守り続ける重要な役割があります。誰でもできる仕事ではなく、大変なことも多い立場ですが、その分やりがいや達成感は格別でしょう。日本政府の方針により活躍が期待され、人口減少などが著しい地域の創生においても、無視できない役割を担います。就職・転職先としては狭き門ではありますが、社会貢献度の高さや充実感はとても大きいでしょう。

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