注目の集まるボルダリングのルールとは|マナーを守って楽しもう

注目の集まるボルダリングのルールとは|マナーを守って楽しもう

CLIMBING 2018.08.03

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頭と体を使うボルダリング

オリンピックの種目になったスポーツクライミングですが、なかでも急激に注目度が高まっているのがボルダリング。ボルダリングは体力面の要求が厳しく、体力さえあればクリアできそうな競技に思えます。しかし、実は力任せに壁を登っているわけではありません。
もちろんボルダリングには体力が不可欠です。しかし、最初に壁を見てどんな風に登ればよいか予測をたてるなど、頭を使わなければ登りきるのは難しくなります。つまり知性と体力、両方のスペックが求められる非常に魅力あふれるスポーツなのです。
ボルダリング

ボルダリングのルールと注意点

ボルダリングはただ壁を登れば良いというわけではなく、ルールに則って登らなくてはいけません。ボルダリングにはどのようなルールがあるか見ていきましょう。

押さえておくべきボルダリングの基本ルール

ボルダリングを始めるにあたって、どんな事に気をつけるべきなのかを知ることが必要です。まずは基本的なルールを押さえておきましょう。

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定められたルートを選ぶ

ボルダリングの壁を見てみるとホールドと呼ばれる突起物が点在していて、簡単に登れそうだなと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、チャレンジする際はこのホールドのすべてが使えるわけではありません。
なぜ使えるホールドと使えないホールドがあるのか、それはボルダリングでは難易度によってコースが定められていることがその理由。挑戦する難易度のルート上の決められたホールドをたどっていかなくてはなりません。
使えるホールドが限られている以上、あらかじめ自分がルートをどんな風にたどっていくかをシミュレーションすることが求められます。

スタートとゴール

難易度を決めていざチャレンジする時にはスタートとゴールの位置を確認しましょう。スタート位置には「S」や「スタート」と書かれていて、ゴールには「G」もしくは「ゴール」と書かれています。スタートとゴールが把握できたらいざ挑戦です。
スタートする時はスタートホールドに両手をかけます。場合によっては右手と左手を別々のホールドにかけてから始まることもありますが、その場合は左S・右Sなど書かれているのでその両方に手をかけましょう。両手をかけてマットから体が離れ、少し静止をしたらスタートです。
登り始めてゴールにたどりついたら、ゴールホールドに両手をかけます。それからその状態で静止しましょう。ゴールホールドに触れるだけではゴールと認められないので、きちんと両手をかけて静止する必要があります。
2018年からルールが変更され、スタート時はホールドに手をかけて静止することが明確に必要となりました。スタートする時もゴールする時も両手をかけてきちんと静止するということを覚えておきましょう。

壁について

ボルダリングをイメージするとホールドを利用して登ることはすぐにわかると思いますが、意外と盲点なのが壁についてです。ボルダリングではホールドだけでなく、壁を使うこともできます。
実際壁面を利用した技術もあり、挑戦するルートが難しくなれば壁面を利用することが必須。たとえば、壁を利用する技術のひとつにスメアリングと呼ばれるものがあります。これは壁にシューズをこすりつけることで摩擦力を生み、身体を安定させるというテクニック。
このように壁面を利用する技術もありますから、当然壁を触るのはOKです。しかし壁面でも壁の端部分(カンテと呼ばれる部分)を掴むのはNGとなっています。壁の端部分はホールドとみなされているので、指定外のホールドを使うことになってしまうのです。
ただしカンテOKと書かれている場合は別で、その時は使っても問題ありません。あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

ボルタリングをする時に気を付けたい点

実際にボルダリングをするとなると、自分だけではなく他の利用者の方もいます。自分勝手な行動をしていると迷惑になってしまいますから、マナーを守って安全に配慮することが必要です。

ボルダリングをする時のマナー

ボルダリングで気をつけたいマナーとしてあげられるのは、きちんと周囲を確認することです。始めて間もない方だと壁に気持ちが向いてしまっていて、周囲のことまで頭が回らないこともあります。すぐにでも始めたい気持ちはわかりますが、一度冷静に周りを確認しましょう。
また、壁の前に集まるのもよくありません。人がたくさん集まっていると挑戦している人が落ちた時に危険ですし、その壁に挑戦したい人の邪魔にもなります。チャレンジするのでなければ壁から離れていましょう。
連続で壁にチャレンジする、「連登」と呼ばれる行為もやめましょう。あともう少しだったからもう一度チャレンジしたいと思うかもしれませんが、他の利用者があなたが挑戦を終えるのを待っている場合もあります。他の利用者の迷惑になりますから、連登はしないように心がけましょう。

安全のためにルール上やってはいけないこと

安全のために、他の方が壁を登っている時にはその近辺に近寄らないようにすることが大事です。もしかしたら上から人が落ちてくるかもしれませんから、そんな時に真下にいたらお互いに大怪我のもとになります。
怪我をしないためにはホールドの穴にも気をつける必要があります。壁に設置するための穴があるのですが、そこに指をいれてしまうと万が一落下した時に怪我の原因になるので注意が必要です。
壁から降りる時も下にマットがあるとはいえ、高い位置から飛び降りるのは危険が伴います。安全な高さまで下がってから降りるように心がけると安全です。降りる付近に人がいないかを確認し、確実に足から着地するようにしましょう。

ボルダリングに相応しい服装

ボルダリングを始めるにあたって、「これでなくてはならない」という服装はありません。望ましい服装としてはやはり身体が動かしやすく、破れにくいものが良いでしょう。
慣れないうちは膝などを壁にぶつけたりすることも考えられますから、あまり丈の短いものだと擦りむく可能性もあります。丈の長い服で露出を減らすと怪我の防止になります。
崖

観るボルダリング

観客としてボルダリングを観ることがあってもルールがわからず、なにがどう凄いのかわからないなんてこともあります。せっかくですからルールを確認して、より楽しんで観られるようになりましょう。

選手の競技順の決め方

ボルダリングでは予選・準決勝・決勝の流れで競技が行われ、予選が2つのスタンディンググループに分けられる場合は世界ランクによってグループ分けされます。

    • グループA 1位・4位・5位・8位・9位…
    • グループB 2位・3位・6位・7位・10位…

ランク外の選手はグループA・Bが限りなく同数になるように振り分けられます。グループの中での競技順は、世界ランクの高い競技者からです。ランク外の選手の競技順はランダムに決められます。
予選を勝ち抜き準決勝・決勝に駒を進めた場合、準決勝であれば予選の順位を参照して成績の低かった競技者からスタートです。決勝の場合ならば準決勝の成績で決定します。
成績が同着の場合は世界ランクの低い選手が先に競技を行い、どちらもランク外であればランダムで決定します。

採点基準はどうなっているのか

競技を楽しく観るにあたって、どのような採点基準があるか知るのは欠かせないポイント。知らないで見ていると選手たちが何に一喜一憂しているかもわからず、共感もできませんからね。
ボルダリングでは高さ4mほどの壁を制限時間内にどれだけ登れるかを競います。ゴールホールドに手をかけた状態を保持できれば完登となり、その回数をカウントします。
それ以外にもゾーン(旧ボーナス)と呼ばれる課題の途中にあるホールドに到達した数、その課題に挑戦(アテンプト)した回数もカウントしていきます。

順位のつけ方

順位の決定にあたっては、「完登数」・「ゾーン獲得数」・「アテンプト数」・「ゾーン獲得数を得るまでの試行回数」の順番で評価されます。
まずは完登数を競い、それが同着ならばゾーン獲得数を競います。それでも順位が決まらなければ、アテンプト数という何度の挑戦で完登したかという数で順位を決定します。ここでも同着となった場合にはゾーンを得るまでに何度トライしたかがポイントになります。
万が一これでも決着がつかなかった場合はカウントバックという方法があります。カウントバックでは決勝戦で全てが同着となった場合に、準決勝でより優秀な成績だった方が勝者です。準決勝で起こった場合はその前の試合、予選まで遡ることもあります。

日本山岳・スポーツクライミング協会について

日本国内ではJMSCAとも呼ばれる日本山岳・スポーツクライミング協会があります。スポーツクライミングの競技会情報はこちらで得られます。ボルダリング以外にもリードクライミング、スピードクライミングやボルダリングも含む複合種目などの情報もJMSCAで発信しています。
山

ボルダリング用語について

ボルダリングの専門用語は初めて聞くとピンとこない用語も多くあります。その用語がどんな意味を持つのか、しっかり把握しておきましょう。

ボルダリングをする時に知っておくべき用語

ボルダリングを始める前に代表的な用語を押さえておけば、実際に始める時に非常に楽です。予備知識があればその分だけ理解しやすくなりますので、ある程度は覚えておきましょう。

壁についての用語

壁はウォール、出っ張りはホールドなどボルダリングでは様々な用語があります。ここではパッと聞いてもわからなさそうなものをご紹介します。

  • スラブ…80度程度の緩い傾斜の壁
  • 垂壁…90度の垂直な壁
  • オーバーハング(強傾斜)…傾斜の強い壁
  • ルーフ…地面と平行に近い強傾斜以上の傾斜の壁
  • リップ…壁の頂点部分
  • カンテ…壁の横の端
  • キャンパスボード…練習用の足を使わないボード

見るだけで覚えるのは難しいですから、実際に体験・観戦しながら覚えていくと良いでしょう。

ムーブについての用語

ムーブとはその名の通り、ボルダリングをする際の動き全般を表します。どんなムーブがあるかを見ていきましょう。

  • キャンパ…足を使わずに登ること
  • クロス…手を交差して次のホールドを取ること
  • トゥーフック…つま先をホールドにかけて登ること
  • ヒールフック…かかとをホールドにかけて登ること
  • ピンチフック…両足でホールドを挟み込むこと
  • ダイアゴナル…対角線上の手足でバランスを取ること
  • 手に足…足を大きく上げて手のホールドまで足をあげること

他にも様々な用語や技術がありますので、興味がある方は詳しく調べてみるとなかなか面白いのでおすすめです。

その他知っておくといい用語

壁や動きについての用語以外にもわかりにくい用語はあります。ボルダリングを始めるなら知ってて損はしない単語ですので、チェックしましょう。

  • コンペ…大会のこと
  • ボテ…ハリボテ
  • グレード…難易度のこと
  • レッドポイント…何度も挑戦してクリアできたグレードのこと
  • フラッシュ…登り方を知っている状態で一度でクリアすること
  • オンサイト…ノーヒントで一度でクリアすること
  • オブザベーション…登る前にルートを見てムーブの予測をたてること

こうやって見ていくと、その場で言われてもなんのことかわからなさそうな単語がありますね。そのうちに覚えていけることなので、そこまで神経質になることはないでしょう。

ボルダリングを観る時に知っておきたい用語

ボルダリングを観戦する際に用語を知っているのと知らないのとでは楽しみ方が変わってきます。せっかくですからより楽しむためにも、観戦時に覚えておくと役立つ用語をご紹介します。

  • ゾーン…順位決定方法。課題中にゾーンホールドをどれだけ取れたかが勝敗を分ける。もちろん多い方が勝者となる。(以前はボーナスと呼ばれていたが2018年にゾーンに変更となった)
  • アテンプト…課題への挑戦のことで、完登するまでに挑戦した回数をアテンプト数と呼ぶ。完登数に続きゾーン獲得数も同着の場合はこのアテンプト数の少ない方が勝者となる。
  • カウントバック…こちらも順位決定方法。まったく同じ成績になった場合に以前の結果を参照して勝敗を決める。具体的には決勝で同着ならば準決勝の成績で勝敗が決まる。
  • アイソレーション…待機場所のこと。「Isolation」の名の通りに隔離されていて、他の競技者の競技中の様子が見られないようにしてある。こうすることで先行者の登り方などの情報が得られず公平性が保てる。
  • ベルトコンベア…競技と休憩を繰り返し行い、次から次へと競技者が登場する競技形式。

せっかく観戦をするなら、どういったことで勝敗が決まるのかわかっている方が楽しみやすくなります。観戦する場合はこれらのことを覚えておけば今よりもずっと楽しんで見られるはずです。
崖

ボルダリングを体感しよう

ボルダリングの魅力についてわかっていただけでしょうか。一見すると単純なスポーツに見えますが、体力や攻略するための知性・技術が求められる高度なスポーツです。
知性と体力をもって難しい壁を颯爽と攻略していくその姿には誰もが憧れてしまいます。これを機に是非ともボルダリングに挑戦し、より一層あなたの持つ魅力を引き出してみませんか。

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